活動報告

草刈りin草原WS実施報告

 2005年から始まった霧ケ峰富士見台地域での草刈り実験。これまでの成果から、最も草刈りによるススキの被度低減効果があるのは9月下旬~10月初旬の時期と考察されたため、今年は10/4に実施しました。
 今年の草刈りin草原ワークショップは、霧ネットスタッフ含め5名での作業となりました。

 午前中は富士見台駐車場から南に下った斜面中腹のススキ草地30×20mの範囲を約2時間半かけて刈り取りました。
 午後は富士見台駐車場と伊奈丸富士見台駐車場の中間にある、ビーナスライン沿いの草地10×10mの範囲を1時間程度で手早く刈り取りました。この場所は車からも目につきやすく、通りかかった際などに今後の植生変化を見ていただけると思います。
by長内

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マツムシソウ再生実験経過

2009年08月28日(金)

2005年秋に草刈り実験を開始したマツムシソウ再生実験区で、マツムシソウの開花を確認しました。富士見台駐車場の南部斜面で実施しているもので、過去2回の草刈り(2005年と2007年)と初年度にマツムシソウの種をまいた地区です。

花をつけている株はなかなか増えないのですが、種から育ったマツムシソウは当初のぺらっとした葉っぱからマツムシソウらしい羽状深裂に変化しつつあります。

MK

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「第8回草原ワークショップ ~霧ヶ峰草原史(仮)をつくろう~」開催報告

 平成21年6月6日ワークショップを諏訪市公民館で開催いたしました。本会はPRO NATURA FUND(プロ・ナトゥーラ・ファンド)より助成を受けた「霧ヶ峰における草原保全活動推進のための啓蒙資料作成と活用」の一環として実施いたしました。
 霧ヶ峰では草原保全をはじめ様々な主が草原関連の活動を実施しています。霧ヶ峰の草原関連の資料は非常に多く、それぞれが大切に思う文献は立場や考え方によって異なる場合もあります。土田勝義先生の編集された「霧ヶ峰の自然観察*」等のように霧ヶ峰の自然と文化をコンパクトにまとめた文献はこれまでもありました。「霧ヶ峰草原史(仮)」を作る目的は、草原を語るときに必要な史実・事実に絞り込み、どのような経過で霧ヶ峰の草原が成立し現在に至っているかを明快に解説することです。霧ヶ峰草原史(仮)では、霧ヶ峰の草原を語るときによく話題となるトピックを8つに絞り込み、それぞれを見開き2ページの絵本形式で簡略に表現することとしました。
 今回のワークショップでは「霧ヶ峰草原史(仮)」のトピックの絞り込みと、その盛り込む内容について意見を交わしました。結果は、後日また報告したいと思います。
栗原
 


○第8回草原ワークショップ(長野日報記事2009/6/7)
http://www.nagano-np.co.jp/modules/news/article.php?storyid=14504

○霧ヶ峰草原史(仮)トピック案
1.約60万年前 高原地形の形成
霧ヶ峰火山群後期の噴火

2.約2万年前 旧石器時代の草原
氷河期の高山草原、黒曜石(運搬・加工する人々)、高山帯の生き物

3.室町時代前期 御射山祭の草原
御射山祭の情景(穂屋・祭場、参加する人々)

4.江戸後期 稲作と草原
草刈りの情景、米1俵に必要な草原

5.昭和初期~昭和30年代 草原の魅力の発見
草刈りの情景、霧ヶ峰に訪れる人々(観光客、地域の学生、調査)

6.現在の草原 その1 植物
草原の植物とその環境(草原~山林)~スミレを中心に~

7.現在の草原 その2 鳥類
草原の鳥類とその環境利用(草原~林縁)~ノビタキを中心に~

8.草原のこれから
雑木処理活動、火入れ活動、草刈り活動、これからを考える団体


*土田勝義編(1992):霧ヶ峰の自然観察、大正印写・・・霧ヶ峰のいくつかの店舗で販売されています。

改良草地の自然草地復元実験を行っています

霧ケ峰ネットワークでは、強清水のグライダー滑走路南側の改良草地で、小和田牧野農業協働組合のご協力を得て、一昨年より、改良草地の自然草地復元実験を行っています。
実験は、牧草の剥ぎ取り、植生マットの移植を行い、活着状況、発芽状況、生育状況などを調査しています。
昨年に植生マットを移植した箇所では、本年、ススキやワレモコウ、マツムシソウ、ハクサンフウロなどの植物が生育しているのを確認しました。
まだ、実験段階であり、かつ改良草地は広大な面積であるため、効率的・効果的に自然草地の復元を行っていくためにはまだまだ試行錯誤が必要です。

しかし、周辺にはマツムシソウやアキノキリンソウ、スミレ類など、種子供給源となりうる環境が見られるため、人為による処理だけでなく、自然遷移による復元も合わせて検討していきたいと思います。

途中経過や状況はブログやホームページでご紹介していきますので、是非ご覧ください。

熊田

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第4回マツムシソウ群落再生実験草刈りのご報告

9月28日(日)に第4回マツムシソウ群落再生実験の一つとして、霧ヶ峰富士見台付近で草刈りを行いました。草刈り範囲は約681平方メートルで、自然公園外の場所です。

今回も今まで同様、所有者である小和田牧野農業協同組合様にご協力いただきました。
昨年草刈りを行った場所に隣接した場所が今回の草刈り場所ですが、昨年の結果では、草刈りによって、草原性の植物の種数が増加したり、ススキの繁茂が抑えられるなど、目標としている多様な種が生育する草原が形成されつつあります。
草刈りは、とても手間がかかり、雑木の侵入を抑えたり、草原風景を維持していく上では、効率的な手法であるとは言えませんが、草原の質を高めるためには、非常にかかせない手法の一つです。
今回の草刈り場所は、レンゲツツジとススキが繁茂した箇所でした。来年は本年と同様、草刈りによる効果を確かめ、さらに、現在進めている草原維持管理のための土地被覆図を参考に、霧ヶ峰全体の草原を効果的・効率的に管理していくための管理サイクルや手法について検討していきます。
既に行われている諏訪市の雑木処理、火入れ事業と合わせて、霧ヶ峰全体の草原景観の維持と種の多様性を高めるために、今後も、草刈りを継続して行っていきます。

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