平成21年6月6日ワークショップを諏訪市公民館で開催いたしました。本会はPRO NATURA FUND(プロ・ナトゥーラ・ファンド)より助成を受けた「霧ヶ峰における草原保全活動推進のための啓蒙資料作成と活用」の一環として実施いたしました。
 霧ヶ峰では草原保全をはじめ様々な主が草原関連の活動を実施しています。霧ヶ峰の草原関連の資料は非常に多く、それぞれが大切に思う文献は立場や考え方によって異なる場合もあります。土田勝義先生の編集された「霧ヶ峰の自然観察*」等のように霧ヶ峰の自然と文化をコンパクトにまとめた文献はこれまでもありました。「霧ヶ峰草原史(仮)」を作る目的は、草原を語るときに必要な史実・事実に絞り込み、どのような経過で霧ヶ峰の草原が成立し現在に至っているかを明快に解説することです。霧ヶ峰草原史(仮)では、霧ヶ峰の草原を語るときによく話題となるトピックを8つに絞り込み、それぞれを見開き2ページの絵本形式で簡略に表現することとしました。
 今回のワークショップでは「霧ヶ峰草原史(仮)」のトピックの絞り込みと、その盛り込む内容について意見を交わしました。結果は、後日また報告したいと思います。
栗原
 


○第8回草原ワークショップ(長野日報記事2009/6/7)
http://www.nagano-np.co.jp/modules/news/article.php?storyid=14504

○霧ヶ峰草原史(仮)トピック案
1.約60万年前 高原地形の形成
霧ヶ峰火山群後期の噴火

2.約2万年前 旧石器時代の草原
氷河期の高山草原、黒曜石(運搬・加工する人々)、高山帯の生き物

3.室町時代前期 御射山祭の草原
御射山祭の情景(穂屋・祭場、参加する人々)

4.江戸後期 稲作と草原
草刈りの情景、米1俵に必要な草原

5.昭和初期~昭和30年代 草原の魅力の発見
草刈りの情景、霧ヶ峰に訪れる人々(観光客、地域の学生、調査)

6.現在の草原 その1 植物
草原の植物とその環境(草原~山林)~スミレを中心に~

7.現在の草原 その2 鳥類
草原の鳥類とその環境利用(草原~林縁)~ノビタキを中心に~

8.草原のこれから
雑木処理活動、火入れ活動、草刈り活動、これからを考える団体


*土田勝義編(1992):霧ヶ峰の自然観察、大正印写・・・霧ヶ峰のいくつかの店舗で販売されています。